18歳になると変わること

契約、マルチ、連帯保証について知ろう

人にはふさわしき贈り物を

 Let Each Man Be Paid in Full

刑事コロンボ旧シリーズの最終話「策謀の結末」に登場するウイスキーのラベルに書いてある言葉。1日の労働を終え、このウイスキーを口にするときには、誰もがそれぞれの至福を味わってほしいという思いが伝わってくる。これがフィクションとはもったいない。
そしてこの英文が見事な日本語に翻訳されている。
「人にはふさわしき贈り物を」

ドラマの中で詩人でもある中年の革命家は、若き同志には「すてきな贈り物は届いているかい」と陽気に語りかけ、裏切り者には「これがお前にふさわしい贈り物だ」とその死体に向けてウイスキーの瓶を足で転がす。

世の中には人の力ではどうにもならない運命や偶然、宿命や因果といったものがあり、オリジナルの英文も簡単な単語だけでそれを十分に表している。ただこの言葉を口にする犯人が詩人であることを考えると、日本語訳の方がグッと輝いてくる。

「人にはふさわしき贈り物を」
法律には書いてないが、これが世の中の最も基本的なルールだと思う。

 

ふつうに生活をしていて

借金の連帯保証人を頼まれることはまずないと思います。

ドラマや映画のようなことは、ふつうは起きません。

でも万が一、お世話になった人や昔からの親友に頼まれたら、どうやって断ればよいでしょうか。

やはりそこは深呼吸をひとつして、
「連帯保証人にはなれない」とはっきり伝えましょう。

そしてその上で、借金を整理して再出発するときは「力になりたい」と話してみてはいかがでしょうか。

決して見放すわけではありません。
いつ応援するかの問題です。

 

8)連帯保証人のまとめ

◆連帯保証人にだけはなるな
借金の連帯保証人には、絶対になってはいけません。
リスクしかないし、損しかしないからです。

◆連帯保証は借金よりもつらい
借金の連帯保証人は、お金を借りた人と全く同じ義務を負います。
したがって、借りた本人に何かあれば、お金を貸した人は無条件で連帯保証人にすべての支払いを求めることができます。

◆契約は書面で
保証人になる契約は、書面でしなければ成立しません。
(口約束だけで連帯保証人にされることはありません)

◆事業用の借金
親せきや友人などの第三者を「事業用の借金」の保証人にするときは、契約をする前に、公証人による意思の確認が必要になります。

◆根保証
個人が根保証をするときは、具体的な金額で保証の上限額(極度額)を決めておかなければなりません。

 

7)借金で苦しんでいる方へ

借りたものは必ず返さなければなりません。
返すつもりがないのにお金を借りれば、それは詐欺です。

しかし病気やケガ、失業などにより、どうしても苦しいとき、借金を整理して負担を軽くすることを考えてみてください。
利息を払うためにまた借金、借金を返すためにまた借金。
これでは何も解決しないからです。

個人が正式に借金を整理する方法として、次の4つがあります。
1)任意整理
2)特定調停
3)個人再生
4)自己破産

これらの手続きを行うことで、これから払う利息や残っている借金の全部または一部を免除してもらえる可能性があります。

どの手続きが適切なのかは、それぞれの状況を確認して決める必要がありますので、法律の専門家(弁護士など)に相談することをお勧めします。

 

6)保証の上限額を決めないと契約は無効になる

保証の中には、次の場合のように、契約をした時点では「保証する額が決まっていない」ものがあります。

◆アパートなどの連帯保証人になる
家賃の滞納が続くと保証する額が増える

◆入院するときの連帯保証人になる
入院費や治療費がかさむと保証する額が増える

◆借金の連帯保証人になる
借金が増えると保証する額が増える

このような形の保証を「根保証」といい、実際にいくら保証することになるのかわからないのが特徴です。
そのため、思いもしない高額な支払いを後から求められ、トラブルになるケースも少なくありません。

そこで、個人が根保証をするときは、具体的な金額で保証の上限額(極度額)を決めておかなければならないことになっています。

この極度額を決めずに契約をしても「無効」ですので、保証人になることはありません。

借金の連帯保証に比べ、アパートを借りたり入院したりするときの連帯保証は、より身近なものといえます。
頼まれる可能性は誰にでもあり、子どもが住むため、親が入院するためとなれば断るわけにもいきません。
それでも「連帯保証人になる」からには、契約書をよく読み、極度額が高額であればその理由を確認し、納得した上で引き受けるようにしてください。

 

5)借金が事業用のときは

親せきや友人などの第三者を「事業用の借金」の保証人にするときは、契約をする前に、公証人による意思の確認が必要になります。

これは、事業や保証のことをよくわかっていない人が保証人にさせられることを防ぐためのルールです。

必ず本人が公証役場に行き、公証人に保証の意思を伝え、あくまでも自分の意思で「保証人になる」ことを確認してもらわなければなりません。

この確認をせずに保証契約をしても「無効」になります。
(連帯保証人になることはありません)

借金が事業用のときは、公証人による確認が必要なことをぜひ覚えておいてください。

 

4)保証人になる契約は「書面」でしなければならない

保証人になる契約は、書面でしなければ成立しません。
(口約束だけで連帯保証人にされることはありません)

[メモ]
手紙を書きたいから住所と名前を教えてほしい。そう言って A4 の白紙の右下あたりを指さして、ここに書いてくれと頼まれたらどうしますか?

 A4 の紙を縦にした状態を思い浮かべてください。
その右下あたりに本人直筆の住所と名前が書いてあり、あとは白紙。
この紙、後から好きなように文章を加えれば、借用書にも連帯保証人の契約書にも、白紙委任状にも作り変えることができます。

必要な書類以外に直筆で住所と名前を書くのは NG です。