15)クーリングオフには期限がある
クーリングオフには期限があります。
いつでも好きなときにできるわけではありません。
例えば、特定商取引法では「8日間」とされています。
(マルチ商法などは「20日間」と長くなっています)
8日間の計算のしかたは、必要な書面を渡されたか、クーリングオフを妨害されたかにより変わるのですが、大切なのは「期限がある」ということです。
悪質な業者はクーリングオフをさせないために平気でウソをつきます。
8日間が過ぎる時間をかせぐため、わざと返事を遅らせたり、連絡をとれなくしたりします。
悩んだり考えたりしているヒマはありません。
必ず申し込みや契約をしてしまったその日のうちに、クーリングオフに向けた行動を開始しましょう。
13)それでも悪質商法の被害にあってしまったら
申し込みや契約をしてしまったその日のうちに、クーリングオフに向けた行動を開始してください。
まずはあなたが住んでいる「市町村名 消費生活センター」で検索し、最寄りの消費生活センターの電話番号を調べてください。
そしてすぐに電話し、被害にあった状況を説明して、クーリングオフができるケースなのか確認してください。
クーリングオフができると言われたら、クーリングオフをするためのハガキの書き方などを具体的に教えてもらってください。
クーリングオフはできないと言われたら、他に申し込みや契約をなかったことにする方法はないかアドバイスを受けてください。
話し中で電話がつながらないときは、申し込みや契約をした書類一式とハガキを2枚もって消費生活センターに直接行きましょう。
「ひとりで悩む」ことだけは絶対に NG です。
[メモ]
消費生活センターは都道府県や市町村が運営している公的な機関で、消費生活全般にかかわるトラブルの相談を受け付けているところです。専門の相談員が電話や面談などの方法でアドバイスをしてくれます。
11)どの時点で帰るか
あなたを誘ってきた若い人たちの中に勧誘のプロがいるとは考えられません。彼らの役割はあくまでも勧誘のプロにあなたを紹介することです。
同級生や少し上の先輩と2人だけで話しているときにマルチの話になったら、その時点できっぱり断って帰りましょう。
さて、本当に話したいことはここからです。
どの時点で帰れば勧誘のプロに会わずに済むか、つまりマルチの被害にあわずに済むかということです。彼らの領域に入り、彼らに話をさせたらおしまいです。
どの時点で帰るか、具体的な場面と動きをイメージしておきましょう。
◆マンションやビルに入ろうとしたら
中に入ろうとした時点で帰りましょう。
マンションの一室やビルの会議室などで勧誘のプロが待っています。
◆セミナーや説明会の会場に来たら
会場らしい場所が見えた時点で帰りましょう。
勧誘のプロたちが大勢で待っています。
◆レストランや喫茶店に入ったら
知らない人が待っていたら、座らずに帰りましょう。
4人テーブルの奥の席はキケンです。
相手に囲まれたら帰れなくなるからです。奥の席をすすめられても、必ず通路側に座ってください。いつでも帰れる位置にいることが大切です。
知らない人が後から来たら、あいさつをするふりをして立ち上がりそのまま帰りましょう。
勧誘のプロに話をさせたら契約するまで帰してくれません。
相手に話をさせない、被害にあわないためにはそれしかないのです。
9)マルチ商法とは
マルチ商法とは、何も知らない学生などをあやしいもうけ話に誘い込み、まずは多額のお金を払わせ、次に知り合いを紹介すればお金がもらえるとけしかけて、友人や知人、後輩などを勧誘させるものです。
紹介料を目当てに、誘われた人が次は誘う側になって組織(ネットワーク)を広げていくのがマルチ商法の特徴です。
あやしいもうけ話には、買って売れば確実にもうかる商品の話や投資すれば絶対にもうかる海外事業の話、参加すれば誰でも金持ちになれるセミナーの話などがあります。
商品の場合は健康食品や化粧品など実際の価格や効果がわからないものが多く、売れ残るリスクが非常に高いです。
投資の場合は投資先の会社や事業の実態が不明で、本当に投資しているのかどうかもわかりません。
セミナーの場合は支払った金額に見合うような知識や情報は教えてもらえず、会員を増やすための方法や勧誘のしかたが話の中心になります。
ピラミッド型の組織の上位にいる者だけが下から吸い上げたお金でリッチになれる仕組みになっており、人の数に限りがある以上、いずれ必ず破綻することになります。
あなたが誘われるころには、借金やクレジットの支払いだけが残ることになりますので、絶対にマルチに手を出してはいけません。
[メモ]
「お金がない」は通用しません。
あなたにお金がないことは相手もわかっていますので、必ず借金かクレジットをすすめてきます。消費者金融や学生ローンなどでお金を借りて払うか、クレジットカードや個別クレジットを利用して払わされることになります。